まちでみつけた小さなブラジル ~鶴見~ 2/2
登録日:2014年6月16日3. ブラジル人が経営しているお店 ~Lojinha da yuriⅡ~
JR鶴見駅の南口を出て、徒歩で進み、鶴見川を渡ると本町通り商店街にたどり着く。ここから、もう少し本町通り商店街を歩いていくと、ブラジルの国旗が店の外まで見えている店舗が現れてくる。その店こそ、今回訪れたLojinha da yuriⅡという店だ。この店は、ブラジル、ペルー輸入商品を扱ったスーパーマーケットである。
このお店の名前の由来は、「小さなお店」という意味のLojinhaと店主の方の娘さんのお名前のYuriを掛け合わせたものらしい。さらに、Ⅱというのは、第2号店を意味しており、1号店は群馬県大泉町に出されていた(そちらはすでに閉店している)。
さて、店内はどうなっているのだろうか。店内に入ると外国の商品がずらりと並んでいる。肉類や菓子、飲料、日用品など、あまり広くはない店内に様々な商品が並んでいる。店内に流れる音楽もラテンミュージックで、異国の雰囲気を際立たせている。
店主の方に話を聞くと、店主の方も、日系ブラジル二世でブラジル育ちだが、15年ほど前、50代のときに日本にきたそうだ。商品は全て海外からの直輸入でブラジル、ペルーの商品が多いそうだが、他にフィリピンなどの商品もある。「日本に住む外国人の手助け、日本人にブラジルを知ってもらえるようなお店を作りたかった。」とのことで、1号店を群馬県大泉町に出店されたそうだ。そして、10年前に鶴見に移ってこられた。
お客さんの国籍も多様でブラジル、フィリピン、ペルーなど様々なので売れ筋もバラバラだ。店主の方にオススメを聞くと、クリスマスに食べるというパネトーネというドライフルーツの入ったケーキと本場ブラジルのコーヒーを紹介された。その中で、コーヒーを購入したが、いつも飲んでいるものよりも味が濃く感じた。
さらに、我々がお話を聞いている最中にも、南米系のお客さんが見たこともないような香辛料を大量に買っていた。我々には必要なくても、外国出身の方からすれば必需品だったり、懐かしく感じるものだったりというものがたくさんあり、多国籍なこの街にはなくてはならないお店だと感じさせられた。
4. まとめ
工業地帯として発展してきた鶴見の町は、多くの労働者を必要としてきた。そのなかで、さまざまな国にルーツを持つ人がこの地で職に就いてきたといえる。そのなかで、ブラジル人の占める比率が多いのは事実である。さらに今日では、少しでも海外にルーツを持つ人が過ごしやすい環境をつくるために、NPO法人が組織され人々の生活を支えている。このようなサポートする体制が整えられているからこそ、鶴見という町は、外国人でも生活しやすい多国籍な町になってきたのではないだろうか。
東京から電車でわずか30分足らずで着いてしまう鶴見。この町にブラジル人のコミュニティが存在している。今後、2014年にはサッカーW杯、2016年にはリオデジャネイロ夏季五輪がブラジルで開催され、日本から遠く離れた国ブラジルが注目されるのは間違えないだろう。このブラジルが注目される機会に、鶴見にある「小さなブラジル」に出掛けてみてはどうだろうか。
明治大学商学部 藤井ゼミ 首都圏で見つけたブラジル F班 3年: 阿部 高木 西村 2年: 北見 多賀 箭内 森 |
【参考文献】
http://abcjapan.org/index.php?option=com_content&view=article&id=297:abc&catid=43:eventos&Itemid=55 「NPO法人ABCジャパン」(最終確認:2014年5月11日)
http://www.tsurumi-watchers.com/2013/06/abcjyapan.html 「ポルトガル語教室開講~日本の中のブラジル鶴見で学ぶ NPO法人ABCジャパン」(最終確認:2014年5月11日)
http://www.city.yokohama.lg.jp/tsurumi/information/introduction/sasshi/kokusaikoryu.html
「横浜市 鶴見の国際交流」(最終確認:2014年5月13日)
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/jinko/non-jp/new-j.html 「横浜市統計ポータルサイト」(最終確認:2014年5月6日)
『地域における越境的な「つながり」の創出に向けて-横浜市鶴見区にみる多文化共生の現状と課題-』 2011年3月 東京外国語大学 多言語・多文化教育研究センター発行
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